2014年1月26日日曜日

モロッコ旅行②:フェズ

2日目はフェズへ。午前中はほぼバスでの移動。
海外旅行には大体言えることですが、移動中の景色も珍しくて飽きませんでした。
 

日本には就航していませんが、モロッコのフラッグ・キャリア「ロイヤル・エアー・モロッコ」のロゴ。キリスト教圏じゃないから十字架はついてないけど、ヴィヴィアン・ウェストウッドとかのオーブ・マークにどことなく似てる。


現地ではこういう「プチ・タクシー」(大体赤色)がよく街中を走っていました。隣の車と比較してみても分かるとおり、日本だと軽自動車くらいのサイズです。恐らく料金も安いんだろうな。


送電線の鉄塔も日本とは形が違ってて面白い。



フェズの街が見えてきた!


フェズのメディナへGO!規模は昨日のカサブランカとは桁違いです。これは迷ったら出られないかも・・・。建物や景色が似ているので方向感覚がなくなります。


 
上にあるミッキーみたいな3つの輪は「タバコあります」の意味なんだそう。



お昼ごろに着いたのでまずは昼食へ。案内されたレストラン(もしかしたらホテルなのかも)が豪華すぎてビックリでした。昔はPalaceだったと言っていたので、王様でなくともお偉いさんの大邸宅だったようです。




建物の威圧感(?)に、自然と小声になるツアー一行。


でも食事が運ばれてきたら一斉に歓声が上がりました!これねー、美味しかったです。真ん中の平たいパンはホブズというモロッコ独特のパンで、どこのレストランでも大抵出てきました。ここでは大き目のものを4分割していましたが、小さいものがそのまま提供されることもありました。
周りのお皿にあるのがモロッコカンサラダ(・・・でいいのかな?)それぞれにんじん、ピーマン、なす、豆、米だったかな。米=主食の日本人にはあり得ない発想なんだけど、同じ食材でも国によって生かし方が違うのって面白い!
にんじんは薄味でしたが、ピーマン、なす、豆のサラダはそれぞれスパイスがふんだんに使われていて美味しかったです。
ちなみにサラダの載っているこの皿、不自然に中国風なのがお分かりいただけるでしょうか。ツアーでご一緒した海外旅行好きのご夫婦によると、シルクロード横断旅行の際のレストランでも全く同じ皿が出てきたことがあるそうで、中央アジア~北アフリカ辺りはメイドインチャイナの安価な陶器が流通してるんじゃないかとのことでした。興味深い。


おまちかねのタジン!!クスクスと鶏肉と野菜のタジンです。これも美味しかった~!!鶏や野菜のうまみがクスクスに染みていて溜まらんかったです。レーズンの甘さもいいアクセントなんだこれが(嫌いな人はいるかも)。日本でも再現できたらいいのに。


デザートは果物。他のレストランでも大体デザートはオレンジが出てきました。日本で食べるものより味が濃かった気がするけど、気のせいかも。


お店の壁面の美しいタイル。まるで万華鏡のよう。


定番のバブーシュ。先がとがっているのがアラビア風で、丸いのがベルベル風とのこと。底が柔らかい内履き用と硬い外履き用があり、後者のほうが値段が高め。


 
可愛らしいレストランの看板。
 



こちらはブー・イナニア・マドラサ。つまりイスラム神学校です。Wikipedia先生によるとマリン朝(1196~1465)の代表的建築物だそう。入った瞬間、湯島聖堂を思い出しました。四方を囲まれているからそう感じたのかな。


なんたる緻密さと正確性!

ミナレット。


細部まで行き届いた美しい装飾です。世界史を見ればイスラム社会が最先端を行っていた時代もあったわけで、それもまたむべなるかなという感じです。ちなみに彫られているアラビア語はコーランのセンテンスなんだそうだ(ガイドさんに確認)。


こちらはブー・ジュルード門。ムハンマドのターバンの色が緑だったことから、緑色はイスラム教のシンボルカラーなんだそうです。

 
中と外で壁面の色が違います。フェズブルーという言葉もあるように、この青はフェズの街のシンボルカラー。
順番は前後すると思いますが、他にアッタリン・マドラサとカラウィンモスクにも行きました。・・・が、前者は扉が閉まっていて入れず、後者はモスクのため非ムスリムは入れないとのことで外から覗いただけでした。マドラサの方は本当は見学できたのかしら?でも現地ガイドさんもスルーだったしなあ。もしかしたら添乗員さんから何か説明があったのかもしれないけれど、よく覚えていません。


モロッコといえばこれ!のミントティー。この日は朝から曇りで気温が低めだったので、この温かさにほっとしました。



「ファーティマの手」の栓抜き。ファーティマはムハンマドの娘さんで、イスラム世界においては神聖で特別な女性。この手は扉のノックなど、色々な所で使われていました。デザインもリアルなものから抽象化したものまで様々。そういえば、北アフリカといえばシーア派のファーティマ朝があったよな~と高校の頃の知識を思い出したり。こういうちょっとした無駄知識が出てくるときは世界史をやっていて良かったなあと思います。



こちらはタンネリ(革なめし職人)地区。皮革製品のお店の屋上からの景色です。ここ、階段を登る前に店員さんがミントの葉を渡してくれるので、それで臭いをごまかさないときついです。田舎の牛舎の小屋の臭いを何倍にも濃縮して刺激臭を足したような・・・。風向きによってニオイの強さも変わるようです。
ちなみに牛舎が多い県北住まいの友人は平気だったらしくピンピンしていました。逞しすぎる。



晴れ間も覗きました。
臭いは確かにきついですが、見れば見るほど写真では分からない細部が見られるので、負けずにじっくり見ることをおススメします。こういう生々しさや躍動感は絶対に本の上では分かりませんからね。

 
 
広場って売っていたサボテンの実。食べたんだけど酸っぱい上に種が多かった!値段は1個=1DH。ガイドブックでは1DHで4~5個くらい買えるらしいので、高いことは分かってたんだけど、団体行動中だしいちいち交渉する気にもならないのでそのまま買いました。こういうときはツアーだとちょっと不便だな。
 



Art Najiという陶器工房に行ってこの日は終わり!!食器はそれなりに好きなんだけど、結局旅行中は買いませんでした。デザインと値段面で折り合いつくものがなかったなあ。重いから持ち運びしたくないってのもあるんだけど。

3日目はほぼ移動の日。アトラス山脈を超え、アラブ人の世界からベルベル人の砂漠の世界へと変わっていきます。

2014年1月25日土曜日

モロッコ旅行①:カサブランカ

日程:2013年12月26日(金)~2014年1月2日(水)

26日 夜:成田発
27日 昼:カサブランカ着 ハッサン2世モスク、モハメド5世広場、メディナ散策(自由行動)
28日 カサブランカ~フェズ ブー・ジュルード門、 カラウィンモスク、ブー・イナニア・マドラサ、アッタリン・マドラサ、タンネリ
29日 フェズ~イフレン~ミデルト(昼食)~エルフード
30日 メルズーガ(砂漠の日の出鑑賞)~トドラ渓谷(昼食)~ワルザザード
31日 ワルザザード~アイトベンハッドゥ~マラケシュ クトゥビアモスク、ジャマエルフナ広場
1日  マラケシュ~カサブランカ
2日  夜:成田着

メンバー:友人と2名でツアー参加

 アクセス:トルコ航空(イスタンブール乗継)

感想/記録:
年末年始の長期休暇を利用してモロッコへ行ってきました。この時期のツアーの中では格安だったからか、ツアー客9名のうちなんと7名が20代女性という構成(!)。同世代に囲まれて気楽な旅となりました。
計画時点ではドバイやチュニジアも含まれたツアーを探していましたが、全て催行中止になってしまい、モロッコ単独ならば値段重視で行こうとということでこのツアーに決定。フェズやマラケシュでは一日とれず、訪れる都市や観光地も少なめでしたが、総合的には良かったと思います。シャウエンに行けなかったのは残念だったなあ。

カサブランカへはイスタンブール経由でほぼ1日の長旅。イスタンブール空港はハブ空港だけあって、土産物店や飲食店が充実していました。しかも24時間営業で夜でも明るく人が多いため、乗継時間を仮眠に充てるにはもって来いでした。

カサブランカには昼過ぎに到着。現地ガイドと合流してバスに乗り込み、まずハッサン2世モスクへ向かいました。見学ツアーに参加すれば中にも入れるようですが、今回は外観のみの見学でした。このモスクはモロッコ最大のモスクで、世界では3番目に大きい規模なのだそう。


ミナレット!!これは世界で一番高いらしい。
歴史的には新しく、当時の国王(ハッサン2世)により建設が進められ、1993年に完成したそうです。



(写真が斜めっている・・・)



とにかく規模が大きく圧倒されました。と言っても大味な作りというわけではなく、細部のモザイクや彫刻が美しいんですよね~これまた。


ちなみに場所は海の近くなので、潮の臭いがします。そう、このモスクは埋立地に建てられているのです。

次はモハメド5世広場。街の中心地に位置しているため裁判所や市庁舎が周囲にありますが、広場なので正直そこまで見所は・・・。人と鳩はとっても多かったです。


ちなみに近くの道路にはトラムが走っています!


街灯にはこんなモロッコっぽいイルミネーションが設置されていました。常にあるものなのか、ニューイヤーシーズン限定なのかは不明。


カサブランカにはフランス統治時代の名残で美しい近代建築が多数残っています。地図を見ると主要幹線が放射線状に配置されていて、都市設計もどことなくパリっぽいのかな~と思ったり。
カサブランカ自体には他の都市に比べあまり観光施設は多くないんですが、建築物や街並みスキーには結構魅力的な場所だと思います。
ちなみにカサブランカはモロッコ最大の都市ですが、首都はラバト。空の玄関口はカサブランカですが、例えばスペイン等から船旅でモロッコに入国する場合はラバト着が多いそうです。

さて、ホテル到着後、夕食まで時間があったため近くのメディナ(旧市街)に繰り出すことに。
カサブランカのメディナは小規模ですが、観光客向けの雑貨店や土産物店もそれなりにありました。客引きも手馴れてる感じで結構強引だったなあ。
入り口近くが店舗の多いエリアで、奥に進むと地元の人たちの生活空間が広がっています。


これが外観。


タジン鍋!一気にモロッコっぽい感じ☆


奥の方。普通に住宅街ですねここら辺。こんな感じで狭い路地が迷路のように張り巡らされているため、地図を見ても道に迷いそうになります。現地の方にたびたび助けてもらいました。

 
 
 
 

ぶらぶらしている間に日が暮れてきました。ここら辺はメディナの入って来た側と正反対の方。殆ど海に近いところだったかなあ。
やみくもにぶらぶらしていたわけではなく、映画「カサブランカ」に出てくるカフェをコンセプトにしたRick's cafeというお店がありまして、それを目指しておったのです(中には入りませんでした)。後で地図を見たらメディナの中に入り込まなくても行けたようですが、地元の人に道を案内してもらったりと、ふれあうことが出来たので楽しかったです。
 
 
また入り口付近へ戻って来る頃にはすっかり真っ暗に!夕暮れの路地裏は結構心細いのですが、ここまで来ればお客さんの多い空間ですし、明かりも多いのでなんとなく安心。
ここでモロッコ土産のキーホルダーとかも購入。
更にモハメド5世通り(確か)とかも通ってマルシェ方面に行ったりもしました。都会だけあって日が暮れてもかなり人通りが多く賑やかでした。
 
 
ホテルの夕食ではカサブランカビールを注文。モロッコはイスラム教国なので基本的にアルコールは飲まれないらしく、主に観光客向けの場所に置いてあるようです。確かメニューには2種類あって、強い方を頼んだのだけど、軽い喉ごしでごくごく行けちゃう感じでした(ほぼ一気飲み)。
そんな感じで1日目終了。長旅の疲れもあるので早めにベッドへ。翌日はフェズへ出発します。