2014年8月16日土曜日

那須岳:茶臼岳(1915M)~三斗小屋~朝日岳(1896M)【栃木県】

日程:8月2日(土)~8月3日(日)

メンバー:2人

天候:1日目→晴れのち雨、2日目→曇り&晴れ

アクセス:自動車

コースタイム:
1日目
7:49峠の茶屋駐車場-8:39峰の茶屋-9:08牛ヶ首-9:29牛ヶ首分岐-10:05茶臼岳山頂-10:54峰の茶屋(36分お昼休憩)-12:45三斗小屋温泉(大黒屋泊)

2日目
7:32大黒屋-8:42隠居倉(13分休憩)-9:25熊見曽根-9:46朝日岳-10:14峰の茶屋-11:42峠の茶屋駐車場

感想/記録:
今回は写真がほとんどありません。というのも、SDカードの容量がいっぱい&軽量化のためカメラを持参していなかったのもあるのですが、スマホのバッテリーを忘れるというポカをやらかし、ほぼ電源を切っていたためです。
普段は単独のことが多い私ですが、今回は富士山チャレンジを控えた同期の友人と二人で登りに行きました。最初はロープウェイ使っても良いかなあと思っていた私ですが、友人の「ロープウェイ使わずに登りたい」というやる気を尊重して、駐車場から登山を開始。昨年一人で登ったときはロープウェイを使ったので、そういえば下から登るのは私も初めてなのでした。友の一言に感謝。
朝5時頃に宇都宮を出、6時過ぎに県北の友人を拾い、途中コンビニで食料を補給して7時半頃には駐車場到着。行程から言えばこんなに早く行く必要はなかったのですが、那須岳の駐車場は山シーズンは7時台に埋まる可能性があるというもう一人の同期のアドバイスを受け、早めに行動することにしたのでした。実際にはロープウェイ駐車場等は空きが多く、そこまで急がなくても良かったかなという印象。ただし峠の茶屋駐車場は確かに6~7割は埋まっていました。
あせらずゆっくりした歩調で峰の茶屋に到着したあと、いざ茶臼岳登山へ。普通は峰の茶屋からの往復コースを取るところですが、同じ道ではつまらないので、茶臼岳西側山腹のトラバースから牛ヶ首を経由していったん表側(という言い方もへんだな。ロープウェイ側です)に出、そこから山頂へ登って峰の茶屋方向へ降りることに。このルートは「無間地獄」と呼ばれる噴気孔が間近にあり、もうもうと吹き上がる煙と硫黄の臭いが充満する中を通るルートで、活火山・茶臼岳の荒々しさ堪能できるルートです。人も少ないので結構オススメです。ただし、途中の木橋が劣化により立ち入り禁止となっているため注意。しょうがないのでその下を通りました。
茶臼岳山頂は人がいっぱいで賑やか。峰の茶屋へ降りたあと、ちょっと早めの昼食をとることにしました。やっぱり山ではパンよりおにぎりの方がおいしく感じるなあとしみじみ。お米のおいしさを実感してるときって、日本人でよかったなあと思うよね(コンビニおにぎりだけどね)。
さて、今回の私の最大のミッションは「三斗小屋温泉に泊まる」ということでした。徒歩でないといけない秘湯。前々から行きたい行きたいと思っていて、やっと1年越しくらいで実現しました。三斗小屋へは峰の茶屋から登山道が伸びています。どんどん樹林帯へ下っていく道で、途中に延命水と呼ばれる水場があります。
三斗小屋温泉には大黒屋と煙草屋の2軒があり、今回泊まったのは大黒屋さん。大黒屋さんの方が旅館風、煙草屋さんの方が山小屋に近い・・・というネットのうわさで大黒屋さんを選択しました。ただし、煙草屋さんには露天風呂がありますが、大黒屋さんは内風呂しかありませんので、温泉目的の方には物足りないかも。実際泊まってみるとトイレは綺麗で水洗(!)だし、部屋にお茶が用意されてるし、部屋食だしで、確かに山小屋ではあり得ないサービスの数々でした。もちろん布団は自分で敷く必要がありますし、アメニティはありませんし、ご飯も普通の旅館のレベルを期待してしまうと見劣りはしますが、この山という限られた環境の中でこれだけのおもてなしを維持するのは大変だと思います。宿の方も気さくでよい方ばかりでした。
大黒屋の内風呂は大小2つあり、1時間ごとに男女が交代となります。小さい方は雨の影響?かかなり温度が低め。逆に大きい方はかなり温度が高く、足をつけて思わず飛び上がってしまいそうになるほど。源泉が異なるそうです。どちらも水質は無色透明でした。宿には早く着いたため、ぐだぐだしたりグチを言い合ったりお風呂に入りに行ったりで、ゆっくり時間をすごしました。
ちなみに、同日別館に泊まっていた福島県から来た同年代の4人グループがとっても元気いっぱいで凄かったw皆さん中学校の先生&学校事務という割とオカタイ職業についているにもかかわらず(というと偏見だけど)、もう完全にノリが体育会系大学生というか、喋りだすと止まらないわで超・インパクトを残していったのでした。あれだけのパワーとタフさがあれば人生楽しいだろうなあ~とある意味羨ましくもなったり。

2日目は大黒屋を出発して隠居倉へ。この登りが想像以上にキツイ。地図によっては登りのコースタイムが下りの倍だったりするので覚悟はしていましたが、ほぼ登りだけのルートで途中ロープの張られた箇所もあり、しかも周りが木に覆われているので見晴らしもなく、いつ終わるとも分からない中延々と登山道を辿っていく・・・というこの辛さ。自然と口数が少なくなる二人。その分見晴らしの良い隠居倉に到着したときの開放感と風の心地よさはなんとも言えず感動的でした。日差しも強かったけどね。
ここから先の熊見曽根までもほぼ登りですが、先ほどまでに比べれば天国です。熊見曽根からは朝日岳の山頂へ。朝日岳からは下りかつ以前経験したルートであることもあり、難なく下山。12時前には駐車場へ到着しました。
因みに、お昼は道の駅友愛の森でコロッケ定食を食べました。もっと時間が早ければなすべんを食べたかったのだけど、限定20食(確か)のため一歩及ばず・・・。コロッケもホクホクでおいしかったですよ。
今回は登山メインなので、どうしても下山後の観光とかレジャーはなおざりになっちゃったかも。
次は遊びで那須に来ようね!と約束して分かれたのでした。

2014年8月15日金曜日

至仏山(2228M):山の鼻~鳩待峠コース【群馬県】

日程:7月12日(土)~13日(日)

メンバー:単独

天候:1日目→晴れ夕方から曇り、2日目→曇り&小雨

アクセス:自家用車、乗合タクシー

コースタイム:
1日目
7:15尾瀬第一駐車場-7:50鳩待峠-8:42山の鼻ビジターセンター-8:50研究見本園-9:18山の鼻ビジターセンター-10:03牛ヶ首-10:38ヨッピ吊橋-11:17東電小屋(昼食:うお沼きりざい丼700円)-12:05分岐-12:18見晴(弥四郎小屋泊)

2日目
5:23弥四郎小屋-5:43竜宮-6:10牛ヶ首-6:37尾瀬ロッジ-7:38森林限界辺り-9:02至仏山頂-11:15鳩待峠
(2日目のこの記録のずさんさに自分もびっくり)

感想/記録:
仏に至る山、と書いて至仏山。名前の由来は「渋沢(しぶっさわ)」から来たとも言われ、仏教は関係ないようですが、なんだかとても端正で趣深い響きです。恐らくやろうと思えば日帰り登山も可能ですが、どうせ尾瀬に行くなら贅沢したい(&仕事を忘れたい)ということで、宿泊での計画となりました。
例により前橋のツテをかりて仕事帰りの金曜日に1泊。翌日前橋から120号と401号経由で戸倉の尾瀬第一駐車場へ。駐車料金は1日1000円なので、今回は2000円かかりました。結構痛い出費ですが、別天地・尾瀬へ行くための必要経費と割切って心と懐を慰めます。
1日目はゆったり木道歩き。まだニッコウキスゲには早い時期だったようでちらほらと咲いている程度。一番目立っていたのはワタスゲだった気がします。といってもワーッと広がっているわけでもなく、要するに中途半端な時期だったのかもしれません。「一週間早かったね~」と言っている方もいました。でも、山の鼻にある研究見本園のカキツバタの群生は中々見事で、華やかな姿にほれぼれとしました。





(ウラジロヨウラク・・・であってる?う~ん、分からない)


(明日登る至仏山)


それより何より、見渡す限りの平原の中にスーッと一本(正確には二本?)伸びる木道ほど、尾瀬を象徴する光景があるでしょうか。もうこの木道の上に立つだけで気持ちがワクワクしてきます。心の中では「夏が来れば」が流れています。水芭蕉の季節は終わってしまったけれど。


山の鼻ビジターセンターを越えていくと、目の前には燧ケ岳。シルエットがいいですよね。至仏山はのっぺりしてるけど、燧ケ岳は適度にごつごつしてて、なだらかな裾野があって、ザ・山ってかんじです(なんだそりゃ)。


(ヨッピ吊橋)

(東電小屋。小屋のお兄さんがめっちゃ良い人でした。)
 
魚沼きりざい丼。なぜ尾瀬で魚沼なのかは不明。味はさっぱりですきっ腹にするする入りました。お味噌汁も具沢山で美味しかった!
 
 
昼過ぎには弥四郎小屋に到着~。というわけで、チェックインの時間までしばしブラブラ。見晴エリアは山小屋が密集しているエリアなので、とってもにぎやかです。特に弥四郎小屋はその中でも最大規模の収容人数を誇る山小屋。グループ客も多く、消灯の9時くらいまで外はかなりにぎやかでした。私は一人だったので他の単独者や少人数グループの方と大部屋で寝ることになりましたが、布団を窓側に確保したため外の騒ぎ声で中々寝付けず、翌朝寝不足気味となってしまいました・・・。これは誤算だったなあ。
 
 
ちなみに、泊まった部屋からは尾瀬ヶ原が一望出来ます!そう、この景色を見て窓側に布団を敷いたのでした。
宿へは早くに着いたため、その後はお風呂に入ったり、外を更にブラブラしたり、とにかく「何もしない」贅沢を満喫しました。何もやることがないって素晴らしい。完結してるけれど実はまだ最後まで読んでいない「ハチミツとクローバー」という少女漫画の中で、登場人物のリカさんが「 こんな何もしない時間なんて どれくらいぶりかしら  そうか  みんな この時間を  お金を出して買うのね 」と言う場面を思い出したり。こういう時間がお金を出さないと手に入らないのが社会人なのですね。子供の頃はきっと、お金をかけて尾瀬に来なくても至るところに転がっていたに違いないのにね(本末転倒)。
 
 
 
昼間晴れだった空は、夕方頃には雲が多くなってきました。
この雲の輪郭を、白金色を帯びた暮れゆく太陽の光が鮮烈に照らし出します。夕日を見るたびに、これ以上に美しい金色が地球上に存在するのかしらと思ったりもします。自然って雄大だ。
小屋の方では、従業員が食器を片付けるカチャカチャという音が聞こえてきたり・・・それもなんだか耳に心地よくて懐かしい。
日帰りでは味わえない、尾瀬のゆったりした時間の流れに思う存分身を任せました。
さて、この雲行き同様、明日の天気は曇りとの予報。心配しつつ、就寝です。
 
翌日はこんな感じ。
 
うすーく広がる霧が幻想的で美しい。昨日とはまた違った表情です。
空はやはりどんよりとしていましたが、その湿っぽさが朝の湿原のみずみずしさを更に高めているような気もしました。
 
(朝露がまるでガラス細工のよう)
 
(クロバナロウゲ。擬人化したら間違いなく悪役)
 
 
行く手の至仏山。頂上は見えるものの、ガスっていてコンディションは悪そうです。
実際山の鼻方面の登山口から登り始めてびっくりしたのが、登山道に水が流れて(大げさに言えば)川のようになっていることでした。至仏山は植物の生育に適さない蛇紋岩で出来ているため森林限界が低いと言われていますが、植物の生育に適さない=水を溜め込むことの出来ない地質ってことなんでしょうか。とにかく階段の一段一段に水が溜まった状態になっており、かなり歩きにくかったです。昨日登った方も同じ状態だったようで、いつ降ったものか分かりませんが、その前の雨が未だに影響していたのかもしれません。

 
晴れていれば最高であろう尾瀬ヶ原の景色も、今回はイマイチ。
更に途中小雨もぱらつき、テンションも若干低めに・・・。


ずーっとこんな空模様でした。それでもこの階段歩きは結構好きだったなあ。尾瀬の木道に近いものがあるからかしらん。こう、緑の景色の中に(目的地を目指す)人為的な意思を持った構造物があるというのはなんとなく安心するものなのですね。岩場のマーキングみたいに。
 
(チングルマ)
 

(ハクサンシャクナゲ)
 
それから岩場に隠れるようにひっそりと咲く花々にも勇気をもらいました。特に天気が悪かったので、風に弄ばれるように揺れる花びらがなんとも言えず健気でいたいけなのでした。
タカネバラとかシナノキンバイも咲いてたと思います。でもハクサンシャクナゲが一番だったなあ。あの薄桃色が可憐で、それでいてボリュームもあってゴージャス。中国の美人画の簪にしたらさぞかし似合うことでしょう。
頂上ではゆっくり休むよりも、小休止に留めて早々の下山。小至仏から鳩待峠へ戻り、花豆ソフトを食べ(重要)、帰路へ。鳩待峠への木道歩き中にやや雨が強くなったので、やはり早め早めの行動にして正解だったかなと思います。
ゆったりのんびり尾瀬を満喫した1日目に比べスパルタ気味の2日目でしたが、とにもかくにも頂上に立つことは出来ましたし、無事に帰れてまずはよかったなと思います。ただ、青空の下で素晴らしい景色を堪能したかったなあという悔しさもあるので、いつかまた再チャレンジしたい。

でもその前に燧ケ岳と会津駒だな。