※三山縦走は29日のみ。
メンバー:単独
天候:
28日 晴れ時々ガス
29日 晴れ(午前中は強風あり、午後は快晴)
30日 ガス、暴風
アクセス:
行き→高速バス、富山地方鉄道、立山ケーブルカー、立山高原バス
帰り→立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー、関電トロリーバス、路線バス、新幹線、電車
コースタイム: ※29日の行程のみ
06:28雷鳥荘発-06:59室堂平-07:33浄土山登山口-07:39室堂山展望台-07:48浄土山登山口-08:23軍人霊碑-08:38富山大学立山研究所-08:57一ノ越-09:53雄山着-09:58雄山発-10:17大汝山-10:31富士ノ折立-11:05真砂岳の巻道通過-11:43別山着-12:19別山発-12:45剣御前小舎-(雷鳥坂)-13:53浄土沢-14:19雷鳥荘
感想/記録:
Wikipedia大先生によると、「雄山・浄土山・別山を「立山三山」と呼」ぶそうです。今回は夏季休暇を消費して、この三山を縦走してきました。現地で2泊3日とかなり贅沢に滞在しましたが、初日と最終日は往復のこまごまとした部分が多いため次の記事に回すとして、とりあえず29日の三山縦走のみ先に記録しておこうと思います。
この行程、本来は内蔵助山荘あたりで一泊すると無理のない行程なのですが、今回は雷鳥荘を基点として日帰りで(正確には日帰りじゃないですが)ぐるっと一周することになりました。
6時28分、朝食もそこそこに雷鳥荘発。立山は平地でも起伏のある土地なので、室堂平に出るまでに息が上がります。ゆっくり焦らず一段一段歩いていきます。この時間帯、既に何名かの登山客はいましたが、室堂山の方へ行くのは先を行く男性と私のみ。しかもこの男性も展望台で引き返してしまったので、浄土山への登山者は私一人でした。
室堂山展望台からは富山平野と日本海が一望できます!
北アルプスの山々も一望。遠くにとんがって見えるのが笠ヶ岳。その左に赤牛岳。右側は笠ヶ岳から順に黒部五郎岳、鳶岳、鷲岳、薬師岳。画面左、スレスレに霞んで見えるのは奥穂高っぽい。
浄土山登山口はしょっぱなに雪渓横断がありますが、この時期はちょうど登山道上は途切れて岩が露出していました。
岩登りはこんな感じ。振り返ってみればこの浄土山の急坂が一番キツかったような気がしますが、とにかくペンキでこれでもかというほどルートが指示されているので、どこから行けば良いのか迷うことがなく、「登りにくいのに登りやすい」という良く分からん印象のルートです。ちなみにこのルートは「山と高原地図」では所要時間20分となっていますが、実際には上記コースタイムにあるように35分かかってます。宿で一緒になった方も30分くらいかかったと言っていたので、このルートは岩場慣れしてないとそれくらいは見込んだ方が良いのかも。あと気づいた点ですが、重なった岩と岩との間に隙間がある(大汝~富士ノ折立もこんな感じ)ので、高所恐怖症的にはこの隙間に落ちるんじゃないか、岩が崩れるんじゃないかという心理的な恐怖感がありました。アルプスの山ってみんなこんな感じなんでしょうか。
さて、そんなことを思いつつ誰もいない浄土山を一人寂しく登っていたときでした。上から鳥の鳴き声が聞こえたのでふと見上げると、なんと雷鳥くんが降りてくるではありませんか。それも5~6羽の群れで!あわててiPhoneを取り出して何度かシャッターを押しましたが、ぶれぶれだったり良く写ってなかったり・・・。
しかし誰にも知られずたった一人で目撃できた特別感はプライスレス。しかも一匹は少しこっちに近づいてきて私を見て(目が合った)、「お前何してんだ?」って感じで首をかしげて去っていきました。半分妄想だけど目は合ったからね!たぶんね!
雷鳥の足ってすごく立派で、あの足で岩を掴むようにしてゆっくり平然と降りていくのでビックリしました。
突然のうれしいサプライズに励まされてきつい岩場を登りきると、浄土山頂に日露戦争で亡くなった富山県の軍人の慰霊碑があります。「山と高原地図」では神社マークがあるんですが、これはいったい?後でネットで調べてみたら、どうやら神社跡の石垣を基礎にこの慰霊碑を建設したもよう。
富山大学立山研究所へ行くと、後ろにそびえる竜王岳が名前にたがわぬかっこよさでした。
ここからは一気に一ノ越へ降りていきます。待ちに待った(?)下りで爽快爽快。それにここらでやっと人が多くなってきてなんとなく安心。下る途中に後ろを振り返ると有明の月(でいいのかな)。
一ノ越山荘で身支度を整えた後、いざ雄山へ。混雑というほどの混雑もなく、素直に山頂へ到着。確かに1時間の登りはきついですが、途中に肩のような部分があってちょっと一息つくことができます。
こちらが雄山の最高点ということになりますが、入るのに500円の参拝料がかかる上に石段がきつそうだったので、しばし休憩して大汝山方面へ。大汝と富士ノ折立はどちらも山頂には寄らず、直下の巻き道のみ。うっすら遠くに剣岳も見えました。
・・・というより富士ノ折立は登れるんでしょうかコレ(と思ったら登ってる人いたよ!凄すぎだよ!)。
本当はここから雄山方面に引き返して一ノ越から室堂へ降りるのが当初の計画でした。・・・が、色々考えて先を進むことに。
判断材料は以下のとおり:
・思ったよりもペースが速く、疲労も少ない。別山まで午前中につけそう。
・風が強く、時折雲が流れて来たが、多くは山に掛かることなく頭上を通過していたため、ガスにより視界不良となることはなさそう。
・強風の中、岩場の多い雄山~富士ノ折立をとんぼ返りするよりは、緩やかで歩きやすい真砂岳方面に進んだ方が疲労度と危険度は少ないと思われる。
・もしもの時は大走りから下山可能。このルートは急坂かつ整備不良(山と高原地図)とのことだが、天気は良くルートもはっきりしていたため、迷ったりすることはないと思われる。
・翌日(30日)は荒天の予報だったため、剣岳を見るチャンスは今日しかない。
・・・特に一番気に掛かっていたのがやはり天気。しかし結果としては午前よりもむしろ午後を過ぎてから強風が収まりピーカン晴れになるという、8月下旬とは思えないような素晴らしい天候でした。
さて、そんな感じで富士ノ折立の下りへ。真砂岳方面へ進みますが、名前のとおり、徐々に岩から砂礫の山容へと変わっていきます。
内蔵助カールかな?雪渓を人が歩いていました。
ここら辺はとっても歩きやすくて気持ちがいい。途中の真砂岳も登ってみたかったけれど、別山を控えていたため疲労度を考え省エネで写真左手に進む巻き道を通過。ちょい雲が出てますね。
この写真は巻き道と真砂山頂からの道が合流するあたりかなあ。
いい感じに歩いて行ったところで最後の大台・別山の登り。やはり疲労が溜まっていたからか非常にハードでしたが、登りきって眼前に見えた剣岳は、雄大で見惚れるような美しさでした。自然と目から汗が滲みます。辛い思いをして登ってきてよかったー!!と絶叫(心の中で)。
ちょうど地元に住んでいてもう何度も立山に来ている(剣岳にも何度も登っている)女性と別山で会話したのですが、これほど剣岳が美しく見えることは中々ないそうです。「もう今からでも登っちゃおうかなってくらいですよ!」と仰っていました。うわあ、すごい。
見よこの剣岳の堅牢とした山容を。なんというか剣岳はニッカボッカとキスリングという昔ながらの山ヤのような風情のある山だなあとかよう分からんことを考えたりもしました。ミラノのドゥオーモのようでもあり。ちなみにこの写真は別山山頂じゃなくて下ったところからとったヤツかも。左端に小さく見える小屋が剣山荘ですかね。
私が下り始めてから快晴となったので、雲ひとつない青空を頂く剣岳は拝むことができませんでしたが、それでも超かっちょいい写真をたくさんとることができ、感無量。
存分に剣岳を眺めて下山。剣御前小舎へ到着。
剣御前小舎からは別山乗越の方ではなく雷鳥坂から下山することに。
雷鳥坂は急坂ですが、下る分にはストックがあればむしろちょうど良い位です。これを登るのはめちゃくちゃしんどそうだけど・・・。あと浮石が多いんで注意ですね。
右手には室堂乗越と奥大日。
左手には今まで歩いてきた雄山からの稜線が見えます。美しい。浄土山は見切れてるけれど。
下り終えて浄土沢を渡れば雷鳥沢キャンプ場へつきます。
浄土沢からまたパシャリ。うん、美しい。
キャンプ場から雷鳥荘までは延々と石段を登らなければなりません。これが意外ときつかった。なんだかミニ・万里の長城みたいな感じです。
そんなわけで天候に恵まれ、コンディションに恵まれて素晴らしい一日となりました。剣岳を見たときの鮮烈さは一生忘れないだろうなあ。本当に来て良かった。
さて、28日と30日について。28日は弥陀ヶ原に寄って散策し、30日はアルペンルートで帰るだけですが、途中黒部ダムも見学しました。今回宿泊した雷鳥荘も含め、ここら辺は次の記事で色々書いておこうと思います。余力があれば。
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